2019/05/14 16:30
はと麦は、食品よりも生薬として使用されてきた歴史の方が長く、ヨクイニンはむくみや下痢の症状の緩和に処方されていました。はと麦は、白米と比較するとタンパク質の量が2倍以上、食物繊維が約8倍も含まれているほか、カルシウムや鉄などのミネラル、ビタミンB群も豊富です。また、毒素を排出する作用があるため、薬膳料理にもよく利用されています。ヨクイニンはイボに効く薬としても有名ですが、肌荒れにも効果があるとして古くから美肌食として食べられていました。
はと麦が長年、薬用として使用されて背景のひとつには、体内の余分な水分や老廃物などを尿とともに排出してむくみを改善するデトックス効果に優れているという点があげられます。老廃物や有毒ガスなどが腸内に蓄積されると体の隅々まで栄養分や酸素を送り届ける役目を担っている血管の循環が滞り、冷え性や肩こり、疲労がなかなかとれないなどの症状が出ます。また、尿として排出されることが少なくなると体のむくみの原因にもなります。はと麦には豊富な食物繊維が含まれており、大腸で便のかさを増やして排出されやすくするため便秘の解消に効果が期待できます。腸内に老廃物が蓄積されないことで血液の流れもよくなり、代謝をあげることにもつながります。はと麦の利尿作用、便秘解消作用によって、体の中からデトックスできるだけでなくダイエットにも効果を期待することができるでしょう。
はと麦による利尿作用は、からだの毒素を取り除くだけでなく胃を健康に保つ効果にもつながっています。体内に水分が摂取されると、一旦胃に溜められてから、十二指腸、小腸、という順番で少しずつ送られてそれぞれの器官で吸収されます。しかし、水分が胃の許容量を超えてしまうと大量に溜まった水分が胃に大きな負担をかけ、本来食べ物を適切に消化する消化液が薄まり消化不良を起こしてしまうのです。はと麦は、余分な水分を排出するという大切な働きによって胃も丈夫にキープしてくれます。
ヒスタミンは、花粉症や鼻炎などのアレルギーを引き起こす原因となる物質です。はと麦には、ヒスタミンを抑制する働きがあることが明らかになっており、さまざまなアレルギー症状を緩和するのにも効果が期待されています。また、はと麦には、炎症物質であるTNF-αを抑制する働きもあるため、アレルギーを予防する働きも優れていると言われています。はと麦は米のように食べる以外に、お茶として毎日摂取する方も多く長年の飲用でアレルギー症状が大幅に緩和されている方も少なくありません。